IT導入と活用の勘所(その11)~データの活用①~

コラム

 IT導入の目的について、以前、「IT導入と活用の勘所(その2)~IT導入の目的~」でも取り上げました。ITには様々な導入目的が考えられますが、「業務やコミュニケーションの効率化・円滑化」か「データの活用」に大別されるのではないでしょうか。当初は業務の効率化を目指してITを導入したが、導入したITが社内に浸透しデータが蓄積されてくると、蓄積されたデータをどのように活用するかに関心が移ることもあるでしょう。また、最近では、IT導入当初からデータ活用を見据えるケースも増えているように感じます。今回は、IT導入とデータ活用について考えてみます。

 ITツ―ルに蓄積されたデータの活用目的は様々ですが、比較的よく目にするのは以下のようなものです。
  ・顧客別、または製品別の利益を把握したい
  ・社員の労働時間、残業時間、休暇の取得状況を迅速に把握したい
  ・営業や製造のノウハウをデータ化して社内で共有したい
  経営状況(収支)の見える化や働き方改革の進展、社内のナレッジ共有を課題として捉える事業者が増えているのではないかと推測されます。

 このようなデータ活用を目的としたIT導入に取り組むにあたり必須となることは、目的に応じて必要となるデータをITツールに蓄積(インプット)できるようにすることです。データの活用とは、ITツールから出力されるアウトプットを活用することに他なりませんが、そもそもインプットが無ければアウトプットも不可能なためです。例えば、顧客別の利益をアウトプットとするならば、インプットとして顧客別の売上と原価・コストのデータが必ず必要になるでしょう。そして、そのインプットは目的を満たすために必要最小限とすることも重要なポイントです。ITシステム導入の現場では、たまに「いずれ何かの分析に必要になるかもしれない」という理由でインプットするデータの種類をやみくもに増やすことを見かけることがあります。将来的な拡張を見越す場合ならともかく、目的から外れたデータがインプットされても実際に活用されることはほぼなく、ITシステムを不必要に冗長化、複雑化するだけの結果になることがほとんどです。

  データの活用を目的としたIT導入に取り組む場合、まず必要なことは、目的を達成するために最低限どのようなデータをITツールにインプットする必要があるかを見極めることになります。そして、必要なデータを見極めたら次に何をすべきか、次回のコラムで考えてみたいと思います。

IT導入と活用の勘所(その11)~
『データ活用の目的を踏まえ、まずどのようなデータを収集すべきかを見極めよ』