IT導入と活用の勘所(その9)~IT導入の効果~

コラム

 以前、「IT導入と活用の勘所(その2)~IT導入の目的~」でも取り上げましたが、ITの導入には目的があり、また導入するからには何らの効果が期待されます。今回はIT導入の効果について考えてみたいと思います。

 ITに期待する効果は、導入するITツールによって様々かと思います。例えば、ビジネスチャットであれば社内のコミュニケーションが簡単にとれるようになる、飲食店のオーダーシステムであれば接客業務が効率化できる、などでしょう。クラウドサービスなどでは導入前に無料で「お試し」ができるものもあり、事前にどの程度の効果がありそうか、実際のITサービスを使いながら検証することもできます。

 一方で、販売管理や生産管理など、企業の業務そのものを処理するようなシステム(基幹系システム)ではどうでしょうか。もちろん、業務効率や処理の正確さの向上などの効果が期待できるわけですが、基幹系システムの場合、一般的に、導入にあたって業務の見直しから入ると導入効果が高いとされています。そのため、対象業務について、まず現行の業務フローを整理したうえで、基幹系システムを導入して業務をどのように効率化していくかを検討することになります。例えば、業務の順番を変えたらどうか、処理するための人数を変えたらどうか、どのタイミングで基幹系システムにデータを入力するのがよいか、などです。
 もし、業務の順番や処理時間、処理する人数などをもとに、IT導入後の業務にかかる時間やコストがシミュレーションできれば、IT導入効果を定量的に把握することができます。一般的に、基幹系システムの導入には相応の時間やコストがかかります。業務シミュレーションによりITの導入効果を事前に把握できれば、IT投資をすべきかどうかの意思決定にも活用できます。

 当方では、専用のツールを活用した「施策効果の定量シミュレーションサービス」による業務シミュレーションを提供しています。関心がある方はお気軽にお問合せください。

IT導入と活用の勘所(その)~
『IT導入効果を事前に検証すべし』