IT導入と活用の勘所(その4)~構築方法②~

コラム

 前回、ITの構築方法を決めるための最初の一歩として、パッケージソフトやクラウドサービスの利用の検討をご提案いたしました。しかし、自社の業務に適合するパッケージソフトやクラウドサービスが見つからないなどの理由で、自社オリジナルの情報システム開発を検討するケースもあるかと思います。今回は、自社オリジナルの情報システム開発について考えてみたいと思います。

 自社オリジナルの情報システムを開発する場合は、ITベンダーに開発を委託することが一般的です。お金と時間はかかりますが、自社の業務に合った情報システムが作れることがメリットです。しかし、自社の業務に合った情報システムを構築するためには、作ろうとする情報システムに対する要求や仕様を発注側で抜け漏れなく整理し、適切にITベンダーに伝え、ITベンダーに正しく理解してもらうことが大前提となります。「これくらいは言わなくても当然わかるだろう」や「この機能は今までと同じにしておいて」などというスタンスでは、ITベンダーに要求や仕様が正しく伝わらないと考えたほうがよいです。要求や仕様が正しく共有されず、ITベンダーとギャップがあるまま情報システム開発が進むと、納期や予算オーバー、最悪の場合期待していたものと違うものが納品されるなどの結果を招きます。残念ですが、情報システム開発の現場ではありがちなことなのです。
 工場での製造物や建物などとは異なり、情報システムには目に見える形がないため、プログラムを組む前の段階で出来上がりのイメージを他者(ITベンダー)に正しく伝え、他者と共有するのが難しいという宿命があります。ITベンダーに委託せずに自前で情報システムが構築できればこの宿命からは逃れられるかもしれませんが、情報システムの構築にはプログラミングなどの専門知識が必要です。特に経営資源の限られた中小企業においては、自前で情報システムを構築できる体制を組むのは難しいのが現実です。
 しかし、近年、「kintone」や「Salesforce Lightning Platform」などに代表される、プログラミングなどの専門知識がなくても情報システムを構築できるITツールが普及してきました。こうしたITツールは大規模、または複雑な情報システム構築には向かない面もありますが、業務をよく知る現場の担当者が自前で情報システムを構築できる可能性は確実に広がっています。ITベンダーに情報システム開発を委託する前に、「情報システム構築の内製化」ができないか、検討されることをお勧めします。

IT導入と活用の勘所(その)~
『ITベンダーに情報システム開発を委託する前に、「内製化」を検討すべし』