「今を生きる」

コラム

 「今を生きる」という言葉。よく使われる言葉ですが、「今を生きる」 とは具体的にどのようなことでしょうか。
 かつてのインドでは「ただ今まさに為すべきことを熱心になせ」という、生き方に対する教えがあったそうです。また、「武士道とは、死ぬ事と見つけたり」の一説が有名な江戸時代の書物『葉隠』にも、「人として一番大切に心がけ、修行すべきこと」として、「只今の正念より他はなし(今を一心不乱に生き抜く覚悟以外にはない)」と記されています。過ぎ去ってしまった過去を後悔したり、未だ来ていない未来のことを心配するために「今」という時間を使うのではなく、「今」すべきことを見つけ、集中することが人生において大切であるということが、 「今を生きる」 という言葉のもつ意味ではないかと思います。
 しかし、仕事や生活において「今すべきことを見つけ、集中する」ことはなかなか難しいのが現実ではないでしょうか。例えば中小企業の社長であれば「今すべきこと」はまさに社長業。会社の戦略を立てたり重要な意思決定をするなど、経営者でなければできないことが社長業に該当するでしょう。しかし、目先の仕事量の多さや日々発生する問題への対応に時間が割かれ、なかなか社長業に集中できないことも多いかと思います。また、過去の失敗が原因で新しい取組をためらったり、将来の支払が心配で会社の資金繰りが頭から離れず、今すべき仕事が手につかない社長もいらっしゃるのではないでしょうか。
 私は、中小企業を支援するコンサルタントとして創業いたしました。中小企業の社長が直面する課題の解決をお手伝し、中小企業の社長が社長業に集中する時間を確保できるようにすることが私にとっての「今集中してすべきこと」であり、「今を生きる」ことであると考えます。屋号である「プレアライブコンサルティング」の「プレアライブ(Prealive)」は、今(現在)を表す「Present」と、生きる(生き抜く)を表す「Alive」を組み合わせた造語で、「今を生きる」を表現しています。多くの中小企業の社長が過去のしがらみや将来の不安にとらわれずに「今を生きる」ことができるよう努力して参ります。